瞳で感じて

ただのイメージ画像です。さて誰の目でしょうか?笑

 長男の大学入試試験が始まり、いよいよこの先が見えてきた今日この頃です。長男の第2希望が(第一希望は長男にしてみたらだいぶ難関で私立。共通テストで願書を出そうと考えている最中。)長女と同じ国立大学、同じ学部学科、つまり、私の卒業した大学な訳でして、先日弘前市に行ってきたばかりです。

弘前市は私の若かりし思い出の場所。今でもあの時のことが思い出されます。思い出したいわけではないんですけどね。めちゃめちゃ好きな人に出会う高2以前の恋とも言えない思い出。今回はこの思い出に付き合ってください。

 私は当時、小さい町に住んでいて、中浪時代からJRで弘前市に通っていました。同じ中学の友達たちは制服。私は浪人生なので私服。それでも楽しかった電車通学でした。その電車は青森市から弘前市を通る奥羽本線で青森県では主要な路線です。通勤通学の人がたくさん利用する路線でした。当時、この電車で青森市から弘前市の男子校に通う男子生徒の集団がありまして(5−6人)、とてもカッコよく、この電車を利用するいろいろな女子生徒の憧れの集団でした。私の友達もそのうちの何人か。最初は友だちの話に仕方なく付き合う感じでしたが、そのうち私にもいいなって思う相手ができてしまったのです。この中でそれぞれ、アイドルグループみたいに、誰派、誰派、誰派なんて言いながらギャーギャーしてた訳ですね。まあ良くあるやつです。私はその集団でも2年生のD君が好きでした。メインは3年の2人。この2人に集まってきてたイケメン集団で学年が結構違っていたんです。このD君、1学年下なのですが3年のメイン2人と同等に扱われていて、そして一種独特なオーラを纏っていて、いわゆるメインの3年2人のモテ方と違っていました。人気があったのはメイン2人。D君はそれほどモテていたかというとそうでもなかったですかね。男子には人気があったようで、むしろ3年にも1年にも慕われていたようでした。

騒いでるうちに、彼らもだんだん気づいてきます。思えば、今思うとラッキーだったのかも。みんなの憧れの集団が私や友達に気付き始めてくれました。騒いでる女子全員が気づいてもらえてるわけじゃない中で。当時は考えてなかったな。挨拶してもらえるようになって、公然の追っかけになれたことが嬉しくて思いも及ばなかったけど。思い起こすと、私は私服だったからなのかも。高校生に混じって私服の女子がいたから目立っていたのかもしれないな。表立って追っかけてたのは友達の方。3年の一郎君の追っかけでした。この一郎君が一番人気の彼。私はそのころは友達に付き合ってます的な態度をとっていたはずです。ですがD君を自分でも気づかないうちに目で追っていたのでしょうね。D君が視線を飛ばしてくれるようになりました。堂々とD君ファンだと公言していたわけではないので、その当時は心の中でこっそり目があったこと、こっちを見てくれていた事にドキドキしながら電車に乗るのを楽しみにしていました。

 そのうち、2人で目で会話するようになりました。

(あいつらも一郎の追っかけだな)

 のような空気であったので、私も、合わせてキャーキャー言ってましたが、D君のファンで、またD君も私が自分のファンなんだとわかっていました。

 D君は私より先に電車を降りるので、(じゃあ、また明日)(うん、明日ね)

 彼は応援団だったので、高校総体の時とかも(がんばってね)(👍)

 とか、あくまで想像だけど笑。わたしたちにしかわからない、友達たちにも話していない秘密の目でする会話。こういう秘密ってちょっと嬉しいですよね。当時彼は程よく遊び人で特定の彼女を作らない主義だったらしいです。彼女いなくてよかったw。

 私が高校生になる頃、一郎君は卒業して友達が追っかけをやめて自分の高校に彼氏ができた頃、D君は高校3年生。そうなってきた時に改めて私とD君は自然に挨拶し、電話番号を交換して直接話せるようになりました。相変わらず、ただの挨拶するだけの中。予定がない時に電話をくれて話してくれるだけだったし、私もあえて告白もしなかったし、そもそも憧れだけど好きかどうかもわからない状態だったし。こっちから電話してもどこにいるかわからずじまい。「いつも友達とどっか行ってていつ帰ってくるかわからないよ」ってお母さん言ってたっけ。(あの頃、携帯電話は高校生が持てるものではなかったやつです。よくコントでやるようなでっかいやつ)

彼は中浪経験者でした。なので、私のことはよく見ていたようです。当時3年のメイン2人と同等な感じがしたわけは彼が一郎君たちと歳が一緒だから。

 D君が就職決まった秋、彼は東京に行くと教えてくれました。その後、卒業間近になって一度だけ彼の部屋に遊びに行きました。特に何がってわけじゃないけれど、今思うととても甘美だけど穏やかな空間だったと思います。

 卒業式の日、彼は私に第1ボタンと(彼の制服はブレザー)、そしてネクタイを首に巻いてくれました。

「大事にしろよ。タバコの焦げ跡あるけど」

東京に旅立つ日、アパートの住所と電話番号もらって遊びにこいよって言ってくれて嬉しかったな。社交辞令とわかっているのであれから連絡は取ってないけど。だからこそよかった。それでも十分な私の思い出。出会った頃、結論、後になって直接会話はするようにはなるんだけど、その時自然に会話ができたのは、あの頃、目と目で会話してたから。もう私の気持ちがバレていたから。目で感じて、2人にしかわからない会話って意外にエロティックだなって思います。

実は見た目、マコさんに似てるの。目が一重で、頬骨が高くて、色白で。髪の毛が柔らかく風になびく感じ。私、マコさん、見た目タイプじゃないけど、そう思っていたけど本当はタイプなのかもしれない笑笑。